2016年に発売されたRPGゲーム「Caligula -カリギュラ-」をオーバードーズ(過剰強化)こと、大幅にリメイクされたのが「Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ」。
Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズに関しても、発売日は2018年5月とやや古いゲームなのだが、特徴的なイラストに惹かれプレイしてみた。
結果、曲をエンドレスリピートし、アニメも見て、スピンオフ小説を購入するぐらいにはハマってしまったのでまとめていきたいと思う。
【総評】キャラクター愛重視派におすすめ
詳細は後述するが、Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズの最大の魅力は、やはりキャラクターにあると思う。
そのため、キャラクターに対して「萌える!」「ハマる!」という感情でゲームにのめり込みやすい人にほど、おすすめしたい。
逆に戦闘システムやダンジョンの攻略目当てという人には、物足りなさを感じられるRPGゲームだと思う。
ちなみにカリギュラとは、心理学用語の「カリギュラ効果」から。見てはいけないと言われるほど見たくなる。まさしくそんな人の内面に踏み込みたい人はぜひプレイを。
ゲーム「Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ」の魅力
テーマが斬新かつ今どき!
Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズのテーマは、「偶像(アイドル)殺し×現代病理」。
このゲームの中でのアイドルとは、ボーカルソフトウェアのキャラクター。現実世界でいうところのボーカロイド(ボカロ)であり、初音ミクのような存在だ。
そして、掛け合わされるのは、現代病理。近代的な社会背景によって引き起こされるうつ病、ひきこもり、性的嗜好障害など、さまざまな病気や思考の歪みをテーマとしている。
この時代だからこそ生まれたテーマは、ありそうでなかったテーマでもあり、興味を惹かれる人は多いように思う。
なお舞台は虚構の世界「メビウス」。現実世界でトラウマを抱えている人間たちはみな高校生としてメビウスに誘われている。
個性的なキャラクターにハマる!
Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズの最大の魅力は、なんといってもキャラクターだろう。美麗なイラストで描かれる美男美女な味方側、透明人間からゆめかわ美少女にペストマスクをかぶった変態まで揃った敵側。
味方にしろ敵にしろ見た目だけでもグッと惹かれる人は多いはずだが、彼らは中身もとても個性的だ。味方も敵も抱えているものが多く、一筋縄ではいかない。
それでいて、「実際にこんな人間いるだろうな」や「自分によく似ているかも」と思えるぐらい、とても人間的なのがカリギュラを彩るキャラクターたちの大きな魅力だ。
というのも、現代病理をテーマのひとつとしていることから、カリギュラを作り上げるうえで制作陣は、心理学に関する調査を相当おこなったとのこと。
一言で現すと生々しい性格のキャラクターたち
心理学にもとづいているだけあり、キャラクターの性格はよくも悪くも生々しい。とても実在する人間らしい。
なお、味方にも敵にもキャラクターごとに個別シナリオも用意されているので、かなり性格が深堀りされる。
しかし、だからこそ第一印象で「このキャラ好きかも!」と思っても、話を進めていくと内に抱える人間らしさに「え、引くわ……」なんてこともよくある。
かと思えば逆に、第一印象ではパッとしなかったキャラクターが、物語終盤では「すべてが好きすぎてもうどうしようもなくなった」なんてこともあるだろう。
LINEのようなシステムのWIREでも描かれるキャラの個性
Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズでは仲間たちとそれぞれLINEのようなチャットシステムで会話ができるのだが、これがまた面白い。
キャラクターたちの素の表情が垣間見られる。
実在ボカロP提供の作中曲にハマる!
この世界のアイドルである「μ(ミュー)」は、ボーカルソフトウェアということで、ボーカロイドと同じく、楽曲提供者がいる。
その楽曲提供者こそが「オスティナートの楽士」と呼ばれる主人公たちの敵になるのだが、彼らが作中で作っている曲はすべて実在するボカロPが提供したものである。
かなり有名どころのボカロPが揃っているが、全員が各キャラクターになりきって製作に挑んだという曲はどれも良曲。
また、歌を担当するμ役の声優、上田麗奈さんがびっくりするぐらいに上手い。
まさしくボカロのようなソフトウェアなのではないかと思うほどの高音もバッチリ響かせてくるし、曲ごとの声の使い分けも素晴らしい。
ボカロを敬遠する方にもぜひ聞いてもらいたい曲ばかりだ。
【参加ボカロP一覧】
- 鬱P(代表曲例:骸Attack!!)
- 40mp(代表曲例:Melody in the sky)
- OSTER project(代表曲例:ミラクルペイント)
- PolyphonicBranch(代表曲例:二次元ドリームフィーバー)
- 蝶々P(代表曲例:え?あぁ、そう。)
- 亜沙(代表曲例:吉原ラメント)
- 164(代表曲例:天ノ弱)
- cosMo@暴走P(代表曲例:初音ミクの消失-DEAD END-)
- YM(代表曲例:十面相)
- ピノキオピー(代表曲例:腐れ外道とチョコレゐト)
- DECO*27(代表曲例:モザイクロール)
大川ぶくぶさんの「エクストリーム帰宅部」が面白い
もはやゲーム内の話ではないのだが……。公式ブログにて連載されていた「エクストリーム帰宅部」。作者はポプテピピックで有名な大川ぶくぶさん。これがむちゃくちゃ面白い。ゲームの内容をほぼ無視した内容なんだけど、面白い。ディレクターのコメントもといツッコミ含めて面白すぎる。
なんなら「エクストリーム帰宅部が面白かったのでゲームを買いました」という人も出てくるぐらいである。
まれにややネタバレかもしれないという部分もあるが、基本的にはゲームに関係ない内容ばかりなのでぜひ一度読んでほしい。
ゲーム「Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ」のうーん……ポイント
戦闘システムは楽しいがもう一息といったところ
Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズの戦闘システムは、RPGらしいコマンド戦闘だが、一般的なRPGとは一味違う。
イマジナリーチェインと呼ばれるシステムによって、敵の動きを予測し、コマンドを選んでいくことになる。
このシステムのおかげで仲間との連携も組みやすく、連携がバッチリ決まると爽快で楽しい。
※動画は無印版のもの。システム的にはオーバードーズ版でも同様だが、UIなどに変化あり
戦闘難易度は低いが、高すぎるとシステム的に面倒にもなるので……
戦闘の難易度はノーマルのほかに、イージー、ハード、さらにハードが選べるが、通常だとかなり簡単。
おかげで普段の戦闘に関しては連携を組むとか考えることもなく、主人公は適当に銃を連射、仲間たちはオート戦闘で終わってしまってもったいない。
しかし、だからといって戦闘難易度が高すぎると、いちいちイマジナリーチェインをしっかりと確認し、連携を考えて……となるので面倒になりそうな気もする。
個人的にはアクションゲーム以外に戦闘システムの出来をそこまで求めないのでよいのだが、気になる人は気になるかもしれない。
周回時の引き継ぎ要素はもう一声ほしかった
Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズでは、周回によって新たに追加されるオマケ要素もあり、クリア後に引き継げる要素もある。
引き継がれるのは、レベル、集めたスティグマ、スキル習得率、因果系譜、不審な痕跡といったもの。個人的にはマップやキャラクターとの親密度も引き継ぎしてほしかったな、と。
この2つがあるかないかだけで周回時のストレスに大きな差があるように思う。
ネタバレ&攻略(タップで開閉)
※キャラクターに対するネタバレでは、個人的な意見も含まれます。
キャラクター一覧
筆者はとくに梔子、Stork、スイートP、彩声が好きである。
主人公
声優:(男)沢城千春・(女)沢城みゆき
Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズでは、「主人公=操作しているあなた」。そのため基本的に性格付けはない。
物語の進行により、佐竹笙悟から帰宅部部長に任命される。
なお、男性主人公と女性主人公が選べるが性別によってストーリーが大きく変わることはない。ただ、一部キャラクターとのやりとりにおいて反応が変わることはある。
佐竹笙悟
声優:武内駿輔
高校3年生、帰宅部部長。帰宅部の中では兄貴分的な立場でとても落ち着いた人物。
柏葉琴乃
声優:村川梨衣
高校3年生。絵に描いたような清楚で美しい女性。男子生徒からとてもモテる。帰宅部の中ではお姉さん的な立場。
巴鼓太郎
声優:細谷佳正
高校3年生。とても身長が高い反面、どこか子どもっぽく感情が表に出やすいタイプ。
困っている人間を放っておけないおせっかいでやさしい面もある。
篠原美笛
声優:高橋李依
高校1年生。甘いものもコッテリしたものも大好きだが、とてもスリムで健康的な体をしている。
表情豊かでよく笑う明るい女の子。
神楽鈴奈
声優:田中美海
高校1年生。豊満なボディに対し、いつも心細そうな表情が印象的。
どこか小動物的だが、とても心根やさしく、倫理観も強い。
森田鳴子
声優:小澤亜李
高校2年生。サブカル的ファッションが目をひく小柄な女の子。
スキャンダルの追っかけに情熱を燃やしていて、勝手に人の写真を撮ってネットに挙げてしまうなど、やや倫理観に欠けるところもある。
峯沢維弦
声優:梅原裕一郎
高校2年生。誰もが見惚れてしまうような美少年だが、無口かつ無表情で冷たい印象を他者に与える。
一人でいることを好み、帰宅部にも度々誘われているが断り続けている。
天本彩声
声優:長縄まりあ
高校2年生。女性らしくやわらかいビジュアルの反面、男性に対しては極度の拒否反応を示し、いっそ暴力的。
主人公が男性か女性かで大きく反応の変わるキャラクターである。
琵琶坂永至
声優:赤羽根健治
高校3年生。発言の端々から知性と大人らしい落ち着きを感じさせる。
実際、学園では成績トップの秀才でもある。
鍵P
声優:蒼井翔太
担当ボカロP:40mP
高校1年生。オスティナートの楽士。常に飄々としていて本音を見せない。
スイートP
声優:新田恵海
担当ボカロP:OSTER project
パステルカラーのピンクと水色が際立つゆめかわ衣装に身を包む小柄な楽士。
作る楽曲もメルヘンチックで一部の女性層に熱狂的な人気を誇っている。
少年ドール
声優:花守ゆみり
担当ボカロP:PolyphonicBranch
孤独を愛する楽士。静謐な図書館に閉じこもっている。
作る楽曲もまた、孤独を称えると同時に群れる人間を嫌っており、孤独を抱えた人々から熱狂的に支持されている。
ミレイ
声優:中村繪里子
担当ボカロP:蝶々P
見た目も性格もまさしく王女様な楽士。とても自己中心的で傲慢。
作る楽曲も「そんな自分を褒めた讃えよ」「愛せ」といったものだが、一部の主に男性からは絶大な人気を集めている。
イケP
声優:斉藤壮馬
担当ボカロP:亜沙
ナルシストな楽士。維弦のクラスメイト。女性ファンが多く、イケメンだともてはやされている。
作る楽曲はややヴィジュアル系な歌詞だが、「生まれ持った素質を乗り越えてやろう」と、強く誓う意思を感じさせる内容となっている。
シャドウナイフ
声優:内田雄馬
担当ボカロP:164
メビウスにて悪を成敗している正義感の強い楽士。μの護衛役でもある。
作る楽曲も「正義の力によって悪を断罪しよう」といった本人の主題歌的な内容になっている。
ウィキッド
担当ボカロP:YM
正体不明の楽士。
非常に暴力的な楽曲を作っているが、その攻撃性を崇拝するかのように一部熱狂的なファンがいる。
ソーン
声優:大坪由佳
担当ボカロP:cosMo@暴走P
楽士たちをまとめるリーダー。
愛憎ないまぜの重く激しいラブソングを作り、絶大な支持を受けている。
Stork
声優:仲村宗悟
担当ボカロP:DECO*27
コウノトリをイメージした奇抜なコスチュームに身を包む楽士。
作る楽曲は狂おしいほど情熱的なラブソング。その曲を聞き、身を焦がす女性は数多い。
梔子
声優:茜屋日海夏
担当ボカロP:ピノキオピー
とても物静かで、物憂げな表情を見せる楽士。
その反面、作る楽曲は内に閉まっておけない感情を叫び連ねるかのような激しいものである。
アリア
声優:下田麻美
μと同じく、ボーカルソフトウェアのバーチャルアイドル。
μと比べとても小さくデフォルメされているが、メビウスではμに対する信仰心ばかりがあまりに強いためだという。
いつも明るく、みんなを元気づけてくれるマスコット的存在。
μ
声優:上田麗奈
アリアと同じく、ボーカルソフトウェアのバーチャルアイドル。
願いはただひとつ。みんなを幸せにしたいだけ。