「今日も一日きみを見てた」のポイント

作家の角田光代さんのもとにひょんなことからやってきたアメリカンショートヘアの猫「トト」にまつわるエッセイ。

猫を飼った経験のある人なら思わず、「そうだよねー」「あるある!」と共感してしまうこと多数。猫好きみんなにおすすめしたいエッセイ。

写真もたくさん載せられていて、それを見るだけでも楽しい。

「今日も一日きみを見てた」のネタバレ(クリックで開閉)

ネタバレ

「みくびり合う」という関係性について、このエッセイでは触れられている。角田さんは飼い猫トトのことを「どうせトトはトトなんだから」「そんなことできっこない」とみくびっていると語る。

同時にトトはトトで「わざとやってはいけないことをして自分の怒りを表し、角田さんが叱ろうとするとササっと逃げる」というような飼い主に対するみくびりをしている、とも。

そんな話からエッセイでは、恋愛関係も友情関係も「みくびり合う」ことで成立しているのではないか、という話につながるのだが、これに私はとても納得してしまった。

私たちは親しい人に対して、無意識に「彼ったらまた電気つけっぱなし!(でもあの彼だから仕方ないか)」であったり、「また彼女が迷子になった!(でもあの彼女だから仕方ないか」というようにみくびっている。

でも、みくびるということは「仕方ないなあ」と思う気持ちであり、ある種の「許容」なのだ。

仕方ないなあと言いながら、苦笑したり、可愛らしく思ったり。それだけで「みくびる」が、なんとも微笑ましいワンシーンになってしまうのだから面白い。